人間関係が悪いのではなく、「余裕」がなくなっている
どんなときに、ネガティブな思いが生まれてきますか? 人間関係のトラブルが増えるのは、忙しいときではないですか? 患者さんの重症度が高い。スタッフが足りない。経験年数に差がある。教えたいけれど時間がない。 誰もが目の前の仕事で精一杯。そんな環境では、本来なら優しく伝えられることも、短い言葉になってしまいます。「早くして。」 「まだ終わってないの?」 「それ、違うよ。」受け取る側は責められたように感じます。でも、言った本人は患者さんを守ることしか考えていなかったりします。 もちろん、だから厳しい言い方をしていいということではありません。 ただ、人間関係が悪いのではなく、「余裕を失った職場」が、人間関係の問題として表れていることは少なくありません。
私も、人間関係に悩んできました
私も悩んだことがあります。日々何かしらあります。でも振り返ると、人が嫌いだったわけではありません。 苦しかったのは、「思いが伝わらないこと」でした。 患者さんを助けたい。少しでも良い看護をしたい。危険を見逃したくない。 その思いが強いほど、相手にも同じように動いてほしいと思ってしまうことがあります。「どうしてここを見ないんだろう。」 「もう少し患者さんを見てほしい。」そんな思いが強くなるほど、私の言葉は短くなり、口調も厳しくなっていました。 教えているつもりでも、相手には責められているように聞こえてしまう。良かれと思って伝えたことが、かえって距離をつくってしまう。 何度もそんな経験をしました。
「適当」の方が楽なのかもしれない
正直に言うと、思ったことがあります。「もう、ここまで頑張らなくてもいいのかな。」 「適当に仕事をした方が、人間関係はうまくいくのかな。」一生懸命になればなるほど、空回りする。患者さんのために言っているはずなのに、自分だけが浮いてしまう。 そんな感覚になることがありました。 でも、何度考えても、私には譲れないものがありました。 患者さんの命に関わることだけは、見過ごしたくない。 その気持ちだけは、どうしても変えられませんでした。
真剣だからこそ、苦しむ人がいる
私は、人間関係で悩む人の中には、責任感が強い人がたくさんいると感じています。 患者さんを守りたい。良い看護をしたい。もっと成長したい。仲間を助けたい、手伝いたい。 そんな思いがあるからこそ、理想と現実の間で苦しくなる。 もちろん、思いが強ければ何を言ってもいいわけではありません。伝え方は学べます。相手の立場を理解することも必要です。私自身も、そのことを今でも学び続けています。 でも、「患者さんを大切にしたい」という思いまで手放す必要はないと思うのです。辞める前に考えてほしいこと
もし今、人間関係で辞めたいと思っているなら、一度だけ考えてみてください。 苦しいのは、人間関係そのものなのか。それとも、「自分の思いが届かないこと」が苦しいのか。 職場を変えることで解決することもあります。部署を異動することで見える景色が変わることもあります。 同じ病院の中でも、部署が変われば空気は驚くほど違います。いきなり辞めることを考える前に、師長への異動の相談や、信頼できる人への相談だっていい。わたしは、もったいないって思うのです。 だって今まで頑張ってきたはずだから。 辞めるという選択も、決して間違いではありません。その場所にこだわる必要もない。たくさんの人が、部署や働く場所を変えて、生き生きと看護師を続けています。私は、それを知っていますから。 自分を責める必要はありません。 あなたが弱いから苦しいのではなく、真剣に患者さんと向き合ってきたから苦しいのかもしれません。おわりに
私は今でも、人との関わりに悩むことがあります。 それでも、患者さんを大切にしたいという気持ちは変わりません。 その思いを、どうすれば相手に伝えられるのか。どうすればチームで患者さんを支えられるのか。 それを考え続けることも、看護師としての成長なのだと思います。 人間関係は、簡単に答えが出るものではありません。 だからこそ、自分の「大切にしたいもの」だけは、見失わないでいてほしい。 私は、そう願っています。 具体的な考え方の整理は「看護師を辞めたい…人間関係に悩んだ時の考え方」にもまとめています。能力への不安がつらいときは「看護師を辞めたい…能力不足で自信がない時の考え方」もあわせてどうぞ。あわせて読みたい:教える側の思いは、伝わらない。それでも。
「もう無理」と感じた時のことは「看護師が「もう無理」と思う瞬間|それでも続けられた理由」に、辞めるか続けるか迷っている時は「看護師を辞めるか続けるか|迷った時の決め方」に書いています。



