看護の空気シリーズ

🌱看護の空気感

「言葉にされない看護を言語化する」

テーマ 看護師の圧にあるもの

看護師の「圧」とは何だろう

看護師の「圧」を想像できますか。

圧から感じるものは、人それぞれだと思います。
ただ、心地よいものとして感じられる人は、あまり多くないかもしれません。

ここで話したい圧は、
力そのものの圧ではありません。

存在の出し方です。

怒られているわけではないのに怖い感覚

圧は、見えないものです。
見えないのに、そこにあることが分かる。

だから私は、圧には「存在」があるのだと思っています。

圧は言葉を持たないのに、
怒られているような感覚になったり、
空気がピンと張るような緊張が生まれたりします。

なんとも言えない空間をつくり出す。

そして圧には、
他人の行動を変えてしまう力があります。

圧は「力」ではなく存在の出し方

圧という言葉は、強さのイメージを持たれがちです。

けれど、現場で感じる圧は
力で押すようなものとは少し違います。

その人がそこにいるだけで
空気が変わる。

それはきっと、
その人が背負っている責任や経験
静かに現れているのかもしれません。


圧は人だけでなく状況からも生まれる

圧を生み出すのは、人だけではありません。

忙しさ、時間制限、患者の安全責任。
そうした状況や環境からも、圧は生まれます。

忙しさと時間制限がつくる空気

看護の現場では、
時間と安全の両方を守らなければなりません。

処置、検査、投薬、観察。
その一つ一つに、確認と集中が必要です。

忙しさは、ただの作業量ではなく、
空気の緊張として現れます。

責任を手放した瞬間に訪れる脱力

責任を手放した瞬間、
急に力が抜けることがあります。

たとえば
看護師同士の申し送りが終わったあと。

あるいは
患者さんの危機的な状況を乗り越えたあと。

ふっと、喉が乾く。

そんな感覚を
多くの看護師が経験しているのではないでしょうか。


なぜ看護の現場では圧が生まれやすいのか

命を扱う仕事の緊張

看護師の対象は、人です。
命を持つ人です。

日常のように行っている医療行為も、
一つ間違えば命に関わる可能性があります。

薬を配薬する。
採血をする。
静脈から薬剤を投与する。
胃管から栄養を注入する。

どれも日常の業務ですが、
本来は危険を伴う行為です。

もし薬を間違えたら。
もし量を誤ったら。
もし投与速度を誤ったら。
もし胃管だと思った管が気管に入っていたら。

そうした事態を防ぐために、
マニュアルに沿って確認し、
手順に集中します。

医療行為は、
集中の連続作業なのだと思います。

教える責任と守る責任

看護師は、最初は誰でも新人です。
けれど、新人でいられるのは最初の一年だけです。

二年目になると、
後輩を教える立場になります。

医療は進歩し続けています。
「昔はこうだった」が通用しなくなることも珍しくありません。

自分も学び続ける必要がある。
同時に、後輩を育てる責任もある。

もし間違ったことを教えてしまったら。
その先には、患者さんがいます。

だからこそ、
教える責任は重くなります。

そしてもう一つ。
患者を護る責任があります。

看護の「護」です。

看護師の圧は、
医療者同士だけではなく、
患者さんに向かうこともあります。

気づかないうちに出ている圧を、
患者さんは受け取っているのかもしれません。


圧はすべて悪いものなのか

圧には、
良い圧と悪い圧があるように思います。

良い圧は、
静かな圧とも言えるかもしれません。

現場を整える静かな圧

良い圧を言葉にするとしたら、

相手の自由を残す圧。

無理に動かそうとしない。
でも「ここにいます」という存在が伝わる。

看護の場面で言えば、
安心と緊張が同時にある空気です。

  • 患者の変化を静かに観察している
  • 何も言わないけれど、見守っていると伝わる
  • 医師や看護師の存在で空気が整う

そんな圧です。

相手の自由を奪う圧

一方で、悪い圧もあります。

それは
相手の自由を奪う圧。

緊張を与え、
相手を動けなくしてしまうような圧です。

不機嫌
ため息
無言
表情

言葉を使わなくても、
態度は人を動かしてしまいます。

それを感じた人は、

  • 萎縮する
  • 考えられなくなる
  • 本来の力を出せなくなる

そんな状態になってしまいます。


言葉にされない圧が誤解を生むとき

圧には言葉がありません。

だからこそ、
誤解が生まれることもあります。

もしかしたら、
自分から圧が出ていることに
気づいていない場合もあるかもしれません。

一生懸命な人ほど、
知らないうちに圧が出ていることがあります。

看護を大切にしている人。
患者さんを護ろうとしている人。

そういう看護師が持つ圧も、
確かにあると思います。

だからこそ私は、
自分の圧の方向を見ようと思っています。


圧を感じたとき、どう受け止めればいいのか

圧を受け取ってしまったとき、
私ならこう考えます。

悪い圧なら、受け止めない。

良い圧なら、
それは現場に必要な緊張かもしれない。

だから、
安心していい。

そして、
自分の意見を言っていい。


最後に:看護の現場にある空気

現場を護る圧があります。

「この人がいると安心する」
そう思われる看護師はいませんか。

「この看護師さんに話したい」
患者さんがそう思う看護師はいませんか。

私は、
「優しい」だけでは
患者さんを護れないことを知りました。

優しさには、土台が必要です。

知識
技術
行動力
人間性

それらが伴っていなければ、
ただの優しい人になってしまう。

私は
「この看護師さんに話したい」と思われる
そんな看護師になりたいと思っています。

あなたは、
どんな看護師になりたいですか。

あなたが安心できる看護師は、
どんな空気を持っていますか。